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瞬時に分かる不用品の処理情報

考えすぎかもしれないが、そんな気がしてしょうがないときがあるもので、彼女との作業がまさにその連続だった。
ともあれ、夫の服の整理を後回しにするという彼女の態度に、夫を失った現実に向き合えない苦悩がありありと表れていた。 ほかにも、つくりつけのロフトベッドの下にモノをためこんでいた人の生活整理を手伝ったときのこと。
その人の居住空間を占めていたおもだったモノたちのなかで、わたしはちっぽけな裁縫箱が気になってしかたなかった。 ほどなく、それは彼女の亡くなった元義父の持ち物で、プロの仕立て屋が使っていた年代物と教わった。
しかし、わたしには彼女の居住空間に昔の、しかも不幸なエネルギーを大量に放出しているように思えた。 彼女はというと、それをもっていることじたいすっかり忘れており、またなんの愛着も感じていなかった。
そこで、裁縫箱には去ってもらい、彼女の居住空間に生気を回復させることに決めた。 おそらくあなたも不動産以外に家族から相続したモノで、自分の居住空間には合わないが子供のためにとっておきたいものがあるだろう。
そういったモノは、あなたの日常生活に支障をきたさないエリア(屋外の物置が理想的)で保管するといい。 一方、そのような保管場所がない場合は、心を鬼にしてさよならすることだ。
あるケースでは、小さなマンションのリビングの真ん中にミシンがでんと置かれていた。 リビングのこちらからあちらへ行くには、からだをそらせ、おなかをへこませなくてはならなかった。
その客自身はミシン縫いをせず、またミシンは壊れていた。 ただし、二十年前に亡くなった母親から受け継いだ唯一の品だった。

扱われ方からいって、ミシンは故人をしのぶ品というよりは、客の空間の占領者に近かった。 客は写真家だったので、写真を撮り、ミシンじたいは職業学校などに寄付するようすすめた。
そうしたほうが、ミシンじたいが生きるというものだ。 また、父親が遺していったモノに精神的に押しつぶされている客もいた。
彼女の仕事場と生活の場は別々だったが、仕事場のほうは父親が亡くなってから十年このかた遺品で埋め尽くされていた。 父親は貴重なアートや稀観本のコレクターだった。
ただし、オークションにかける価値があるほどの陶器や工芸品と、青空市に出すのがぴったりといったモノがごっちゃになっていた。 客は、価値のあるなしを見分けられないうえ、どれひとつ処分する気になれないでいた。
父親の遺品のせいで身動きできず、なげやりにさえなっていた。 故人の持ち物を処分するのはやるせないものだ。


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